令和6年度 入学式

投稿日:  投稿者: 前田健二

本日4月9日(火)、令和6年度入学式が行われ、普通科82名の新入生が入学しました。新入生は、緊張しながらもこれからはじまる3年間に大きな期待を抱き、入学式に臨みました。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。一日でも早く学校生活に慣れ、勉強や部活動など様々な活動を通して、校訓「克己」の精神のもと、「自己実現」に向け充実した3年間になることを祈念しています。

 

式辞

 本日ここに、PTA会長 吉田幸泰 様のご臨席を賜り、また同窓会長佐伯健二様をはじめ、本校をご支援くださる多くの方々と保護者の皆様のご参列を得て、令和六年度鳥取県立鳥取中央育英高等学校入学式を挙行できますことを、心より感謝申し上げます。ただいま入学を許可しました、八十二名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
教職員一同、心から歓迎いたします。桜も今日のこの日を待っていたかのように満開で、皆さんの入学を祝ってくれているかのようです。
 さて、本校の歴史を少し振り返りながら、みなさんに二つのことをお伝えしたいと思います。
本校は、平成一五年に由良育英高等学校と赤碕高等学校が再編成されて誕生しましたが、由良育英の出発は、明治三十九年に私立学校として開かれた、育英黌にあります。この育英黌をひらいたのは、幕末にここ由良の地に生まれた豊田太蔵という人です。彼は、学問をすれば誰でも立身出世できると知り、学ぶ意欲のあるすべての子供に学ぶ機会を与えるべく、地元に学校を作ることを目指しました。学校を建設するための資金が二万円、これは現代のお金に換算すると一億円以上とのことですが、そのために個人の財産を投じ、様々な苦労を乗り越え、、私立学校の設立にこぎつけたのです。

 ここから学ぶべきことが、今日お伝えしたいことの一つ目になります。それは、目標をしっかり定めてほしいということです。豊田太蔵先生のように、自分の信念に基づいて、自ら決めたことに向かっていくことは、あなたたち自身の内側に情熱の火をともし、継続して努力する原動力になります。これから先のあなたたちの人生では、自分で決めて進んでいくことが次々と出てきます。将来の自分のために、高校生初日の今日この日に、昨日とは違うレベルアップした自分をイメージし、自身の目標を思い描いてください。そしてこれから三年間、それに向かってつき進んでください。
 二つ目は、他者を尊重し、協力して行事や部活動、探究活動に取り組んでほしいということです。コロナ流行期に小中学生だったみなさんは、自宅で自学に取り組むことやオンライン授業などを体験したことでしょう。図らずも新しい学びの形を知ることにはなりましたが、対面や体験から学ぶことについては、十分ではなかったと想像します。時を経て今、こうやってこの地に集うことができたのですから、友人や先輩、教職員、支援をしてくださるみなさんの考えを尊重し、協力して、様々な活動、様々な体験をしていきましょう。学校行事や部活動、探究活動を通して、みなさんが、実り豊かな学校生活を送ってくれることを心から願っています。
 育英黌の誕生から一一七年経ちました。時の流れは加速する一方であり、教育現場もその流れの中にあります。そんな中で、我々教職員は、時代のながれを読み取りながら、ベストなパフォーマンスを発揮して、みなさんをサポートしていきます。ともに頑張って成長しましょう。
 終わりになりましたが、保護者の皆様、本日はお子様のご入学、まことにおめでとうございます。お子様の成長を願う気持ちは、保護者の皆様と同じです。どうか三年間、よろしくお願いいたします。
 以上簡単ではありますが、式辞といたします。

令和六年四月九日
鳥取県立鳥取中央育英高等学校
     校長 山田 史子