応援歌練習に寄せて

投稿日:  投稿者: 横山 尚登

 今年も応援歌練習が始まりました。私が高校生の頃も応援歌練習はありましたし、豊田記念会館の資料室には昭和の初め頃に撮影されたと思われる応援歌練習の風景も展示してあります。本校の応援歌として最も人気のあるのが「角盤山」ですが、この応援歌は大正9年に生まれています(創立100周年記念誌より)。しかも、名曲「角盤山」は当時の文芸部の生徒が作詞したと言いますから、大正時代の先輩たちはたいしたものです。

 そのように伝統行事でもある応援歌練習ですが、生徒にはこの応援歌練習をとおして、人間として成長してほしいと思います。応援団は生徒を指導する立場ですが、人を指導するということは大変難しいことで、念入りな準備が必要です。そのために、応援団員は春休みに合宿して訓練しました。リーダーは率先して見本を見せることができなければなりません。リーダーは誰よりもよい姿勢で、大きな声で歌えなくてはいけません。そのリーダーの姿を見て、多くの生徒は頑張ろうと思うのです。

 生徒は、大きな声を出すのが恥ずかしくて最初はなかなか声がでません。しかし、応援団の励ましや隣の同級生の大きな声を聞いて、だんだん声が出せるようになってきます。大きな声で歌えるようになると、少し自信がついてきます。大きな声を出して歌うのは、ちょっと恥ずかしいかもしれません。その、恥ずかしい気持ちを乗り越えることが大事なのです。また、単に恥ずかしいだけでなく、ちょっと素直になれない自分と戦っている人もいるかもしれません。そういう自分自身の弱さを乗り越えることが大事なのです。

 まさに、応援歌練習は自分との戦いであり、校訓「克己」の精神を発揮する絶好の機会なのです。後3日間、しっかり頑張りましょう。